1.はじめに
1-1.どんな話?
この記事は、スマートフォン(以下、スマホ)における、データ移行と今まで使用していたスマホの処分方法の検討、売却時の注意事項を調査した時の記録です。
スマホは全くもって詳しくないので、ネタ半分に流し読みしてもらえばと思います。
1-2.序章
契約プランの更新と端末を更新した事は、前回記事の通りです。
スマートフォン(以下、スマホ)の契約プラン変更と端末の新規購入、アプリ類の移行まで無事に終了し、手元には今まで使用していたスマホが残ったので、再活用可能か検討しました。
当初は、手元にこのまま残して自宅内でタブレット代わりに使用する事を検討しました。しかし、スマホ搭載のOSのサポートが終了しておりセキュリティ面のリスクが大きくなっていく事が予想された為、タブレット代わりに使用する事は断念しました。
ダメ元で今まで使用していたスマホの型番をいくつかの買取業者のウェブサイトで検索したところ、買取可能との結果が出ましたので、新規に購入した端末の費用を少しでも補填する事を考えて、売却する事としました。
但し、売却時は個人情報流出リスクの低減や買取価格の低下を抑制する為に、いくつかの作業を行う必要が有ります。
2.売却の可否
2-1.買取条件の確認
売却を検討する場合、本当に売却できるのか次に示す手順で確認する必要があります。
2-1-1.買取できる業者は居るのか
まずは買取業者のウェブサイト等でスマホの型番を検索して、買取自体の対応状況を確認し、次に、買取価格の減額や買取拒否の条件を確認します。
買取価格の目安と、売却にかかる費用(店頭持込の場合は交通費、宅配便送付の場合は送料)を比較して、マイナスならこの時点で売却を諦めて破砕処分を選択しても良いでしょう。
2-1-2.割れ、キズが有るか
画面やカメラレンズ、筐体の割れ、キズの有無を確認します。特に、画面やカメラレンズが割れたりキズが入っていると、買取価格に影響を及ぼす事が多いようです。*1
2-1-3.水没品か否か
スマホは機種により、使用中に水没していないか判別する為のシート(液体侵入インジケータやLCIと呼ばれるもの)が、スマホの側面や端子付近に仕込まれている事があります。
これが組み込まれている場合に、白色や銀色のシートが赤色へ変化していると水没品と判定されて、買取価格に影響が出ます。
2-1-4.赤ロムか否か
滞納などで、スマホにネットワーク利用制限がかかって通信出来ない状態(いわゆる、赤ロム)になっていないか、確認する必要が有ります。
滞納を起こさなければ確認する必要すらないと思うかも知れませんが、スマホを割賦(分割払い)で購入している場合、支払いが完了しているか(残債がないか)確認する必要も有ります。
支払いが完了していない場合は購入者には所有権がない事もあり、赤ロムの状態に陥るリスクがあると判定されて、買取拒否や買取価格が下がる事が有りますので、注意しましょう。
2-2.古物商許可やデータ削除に関する認証の有無
買取業者は原則として古物商許可が必要で、営業所やウェブサイト等で掲示する義務も有ります。古物商許可を掲示していない、または許可番号等を各都道府県の公安委員会で検索しても出てこない、社名等が全く異なる様な買取業者は、買取価格が不当に安価である可能性も有る為、避けた方が無難と考えられます。
古物商許可と共に、データ適正消去実行証明協議会(ADEC)の「認証消去サービス事業者」認証や(一社)日本ITAD協会の「情報機器リユース(再利用)取扱事業者資格」認定を取得している業者の中から選定した方が、個人情報流出のリスクは低くなると考えられます。
買取業者などのウェブサイトで探すか、分からなければ問い合わせてみて下さい。
スマホの型番を色々な買取業者で検索したが買取不可の場合、手元へ残しておきたい理由がないのであれば、専門の業者へ依頼して破砕処分を依頼した方が良いでしょう。
3.下準備
この項目では、売却を前提とした下準備を解説します。破砕処分を依頼する場合でも不正に個人情報が流出しないか心配だ、という方も参考にできる内容です。
なお、当ウェブサイトの中の人が所有しているスマホの関係上、Andoroidを前提に記載しますのでご了承ください。
3-1.データやアプリの移行
最初に、今まで使用していたスマホ内のデータや各種アプリを、新たに購入した端末へ移行しましょう。単なるデータの移行は、
を活用するのが簡単です。
アプリの移行は、ただ単に今まで使用していたスマホでログアウト、新しいスマホでログインを行う事で完了する場合も有れば、認証データの書き換えや削除、アプリ本体とは別に併用する認証アプリも同時並行で移行させる、過去の通信ログは一定の手順を踏まないと移行できない、などの場合も有るので、アプリ毎に調べる必要が有ります。
次に、スマホ間でアプリを移行する時にコツが必要な例を示します。
3-1-1.スマホ用電子証明書搭載サービス
スマホ用電子証明書搭載サービスを利用している場合、アプリを新しいスマホへ移行させると共に、今まで使用していたスマホの失効手続きを行う必要が有ります。
3-1-2.おサイフケータイ
おサイフケータイは、アプリを削除しただけでは内部にデータが残ったままになってしまいます。対策としては、おサイフケータイアプリからメモリ(ブロック)の使用状況を確認し、使用状況が1以上の場合はデータが残っている為、各種電子マネーのアプリから個別にデータを移行する必要が有ります。
おサイフケータイに似た事例としてはApple Payがあり、移行手順に注意しないとカード情報を引き継ぐ事が出来ない様です。
3-2.アプリのログアウト、削除
今まで使用していたスマホ内のデータやアプリの移行が終了したら、続いてアプリ類のログアウト処理を行いましょう。
ログアウト処理を行っておかないと、アプリを削除してもサーバー側で今まで使用していたスマホによるログインが可能な状態を保持してしまう可能性があり、個人情報流出の危険性が高まってしまいます。
なので、必ずログアウト処理の完了を確認してから、アプリを削除して下さい。
3-3.ペアリングの解除、SDカード等の取り外し
各種デバイス(例えば、イヤホンやスマートウォッチ)のペアリングを解除しておきます。これらも解除しておかないと、個人情報を特定するヒントになってしまいます。
SDカード等を取り付けている場合、これも忘れずに取り外します。
3-4.盗難防止機能の解除
盗難防止機能(iPhoneの場合は、「iPhoneを探す」に相当)を解除しておかないと、売却後に中古として購入した人が使うことが出来ません。買取拒否される事も有るので、必ず解除しておきましょう。
3-5.端末からGoogleアカウントのログアウト
各アプリの処理が終了したら、最後にGoogleアカウント(iPhoneのApple IDに相当)からログアウト処理を行います。
スマホ上からGoogleアカウントの情報を削除しておかないと、個人情報流出の危険性のほかに、売却後に中古として購入した人が使うことが出来なくなります。買取拒否される事も有るので、必ずログアウト処理を行っておきましょう。
スマホ側でログアウト処理を忘れた場合、Googleアカウント内の設定画面から強制的にログアウト処理させる方法も有る様ですが、スマホでログアウト処理を行う方が確実でしょう。
3-6.暗号化
Googleアカウントのログアウト処理まで完了したら、暗号化を実施したのちに初期化を行ってください。データやアプリはOS上で単に削除しても、実際には「削除する」というデータを書き添えて表面上はアクセスできない状態にしているだけで、痕跡が完全に消えている訳では有りません。
その為、Googleアカウントの削除まで完了した後にAndoroidの機能で暗号化する方が安全です。なお、iPhoneの場合は最初から暗号化された状態なので、この作業は不要です。
3-7.初期化
暗号化まで完了したら続いて初期化を行って、完了したら電源を切ったのち、SIMカードを取り外して下さい。
3-8.SIMカード
通信キャリアを変更する場合、それまで契約していたキャリアのSIMカードをスマホから取り外す事になりますが、通信キャリアによってそのまま処分してよい場合と返却する場合が有るので、返却先を含めて事前に確認しておきましょう。
前回記事にて、令和三年(2021年)10月以降に発売された端末では原則としてSIMロックは禁止になった事は解説しましたが、平成二十七年(2015年)5月以降に発売されたスマホはSIMロックがかかっていても解除できる仕組みになっています。(平成二十三年(2011年)4月以降発売の一部の機種も解除できる様です。)
SIMロック実施の有無を含め、詳細は各社のウェブサイトを参照して下さい。
SIMロックがかかっているが解除できる場合、売却する際は事前に解除しておいた方が買取上は有利と考えられます。
4.売却
売却する場合は、バッテリーの残量が50%以上になる様に充電しておきましょう。残量が少なすぎると買取時に動作確認が出来ず、買取不可や買取価格が下がってしまう可能性が有ります。
最後に、簡単に外せるもの(ケースなど)は外した上で、全体的に清掃します。保護フィルムの様に張り付いている等の理由で、簡単には外せないものを無理に外そうとすると余計な傷を付ける可能性が有るので、そのままにしておく方が無難でしょう。
売却時は、外箱や説明書、保証書やアダプタ類など付属品が一式揃っていた方が買取上は有利なので、手元に残っている付属品も揃えた上で清掃します。
ここまでで準備は完了です。最後に梱包しますが、買取業者へ宅配便で送付して買取依頼する場合、買取業者の指定がない時は本局で公開している「宅配便に関する2〜3の事項」を参考に梱包すると、輸送中の破損で売却できなくなる事態を避けられるでしょう。
5.おまけ
前回スマホを更新した時までは、携帯料金に紐づいたインターネットラジオの料金支払いの関係で三大キャリアを渡り歩いていた事、当時使用していた端末はSIMロックを解除できない端末だった関係で売却は見込めないと判断し、某ショップにて分解してバッテリーを取り出したのち、目の前で専用の機械による破砕処分を行ってもらいました。