みんなで書こうよ、ファンレター(改訂版) ~第四編・本文の書き方~

この記事は、ファンレターを当アカウントの中の人が書く際、個人的に定めていた基準をいくらか汎用的な内容に再編して、公開したものです。
難しく考える必要はありません。ファンレター、みんなで書きませんか??

1.概要

1-1.記事の構成について

全ての事項を一度に書こうとすると大変な文章量になってしまって、読み辛くなってしまう事がわかりきっているので、以下の通り、合計で七編に分けて公開します。

第一編・概要
第二編・一般事項
第三編・基本的な作り方
第四編・本文の書き方←現在開いているのは、この記事です。
第五編・これに気を付けよう
第六編・より良くする為に
第七編・プレゼントの選び方

1-2.参考文献

作家・画家の先生へファンレターの送り方|青い鳥文庫|講談社BOOK倶楽部
声優にファンレターは届くのか?ルールやマナーは? | 幸田夢波のブログ
売れない声優がもらってありがたかったプレゼント | 幸田夢波のブログ
推し声優を応援する時のポイント | 幸田夢波のブログ

4.本文の書き方

4-1.書き始め

まずは便箋の文頭に「(相手の名前)様」を書き、一行目に簡単な挨拶文を書きましょう。挨拶文は「こんにちは、(本名)と申します」とすれば、相手が覚えていても忘れていても大丈夫です。

とにかく、普通の挨拶を心がけてください。あまりに馴れ馴れしいのは当然駄目ですが、ファンレターである事を考慮すると、丁寧すぎるのも相手が畏まってしまうかも知れません。「はじめまして」「こんにちは」が丁度良いのではないかと思われます。相手が「夜に読んでいる」と発言していたならば、「こんばんは」とするのも良いでしょう。

最初の印象は重要です。普通のあいさつ文を書くことで、相手は安心して読んでくれる可能性が高くなります。挨拶より後に書く本文の全てに共通しますが、相手の年齢や性格に合わせて文章を書きましょう。

例えば相手は貴方よりも年上もしくは年配である、礼儀に厳しい、という方の場合は、どちらかというと手紙の正式な書き方に沿ってしっかりと敬語を使えている文章とした方が良いと思われますが、比較的若いもしくは同年代、物腰が柔らかい方の場合は、敬語まで行かなくても丁寧語を用いて文章が書かれていれば、大きな問題は生じないと考えられます。

本文中の相手の敬称も、礼儀に厳しいようであれば「様」で統一した方が良さそうですが、そうでない場合は「さん」でも良いと思われます。フルネームで書いてしまうと、事務的な印象で受け止められるかも知れません。なお、愛称は馴れ馴れしく感じやすいので、相手の性格に合わせて使いましょう。

4-2.自己紹介

初めての場合は、ここで自己紹介をします。相手に対する最低限の礼儀として、また警戒心を解いてもらう為にも貴方の事を明らかにすべきですが、相手が読みやすいよう書く項目は厳選する必要があり、一般的には名前と年齢、職業を書く事が多いようです。学生の場合は「高校一年生」などと書きましょう。

もしも貴方の名前が珍しい名前で読みにくい場合は、ふりがなを振ると親切です。また相手の出演作品や小説などの登場人物と同姓同名の時などは、せっかくなので強調しておきましょう。

自己紹介に関して、長すぎる自分語りは逆効果です。相手は途中で読むのをやめてしまう可能性が高まります。

自分語りを書きたい場合、作品や貴方の感想と関連していたり、感想を抱いた背景を説明する為に最小限の情報を書き、「私の生活に(相手が作詞した楽曲などが)溶け込んでいる」や、「大変な状況だけど、勇気づけられた」などと書きます。唐突に関係ない内容を書くのは避けた方が良いでしょう。

4-3.以前の出来事

はじめてファンレターを書く人は、ここでファンになったキッカケを書くと相手も分かりやすいと思います。具体的には、相手が舞台役者や声優などの場合は主演作品を、漫画家や小説家の場合は出版作品を挙げ、歌手であれば曲タイトルを挙げて、それを観て、聴いて、読んでファンになった、などと書きます。

ただ単にファンだと書くよりも、具体的な作品を挙げて書いた方が正当なファンである事もアピールできるし、相手から見ても、相手が携わった作品を挙げた方が喜ばれるのではないでしょうか。

二通目以降のファンレターの場合は、ファンレターを書いている時点よりも以前かつ、時間が経っている出来事を書きます。イベント終了直後などであれば、ねぎらいの言葉を入れると良いですね。

4-4.現在のこと

現在については、番組、CM、映画、舞台、ラジオなど出演作品、出版された書籍、イベントの事などを書きます。大抵の場合、主に感想を書く事になりますが、感想を書き始める直前に「○○へ参加しました」「○○を拝見しました」と書く事で、相手は何の感想が書かれているのか分かりやすくなります。

感想を書く時に相手の意図とは異なる事を書いてしまう事について警戒している人も居るようですが、誹謗・中傷、イヤミを書かない様に気を付ければ大丈夫でしょう。逆に、違う考え方や見解を知りたい、という方も居ると聞きます。

感想を書くとなると悩む方が居ます(当アカウントの中の人もそうでした)が、貴方はどんな心境になったのか?どんな行動をしたのか?を掘り下げる為に、「どこのシーン」で「どのように感じたのか」を、まずは箇条書きで構いませんから書き出してみて下さい。

「どこのシーンで感動した」などの箇条書きが出来上がったら、次は理由を考えてみて下さい。理由は「その美しさに・・・」程度で良いですし、どうしても理由が思い浮かばない時は「あのセリフ大好きで何度も聴いている」や「思わず聴き入ってしまった」などでも良いです。

感想は深く考えすぎる必要はありません。「貴方が見つけた逸品の一押しポイント」を、相手が興味を持ちそうな雰囲気で語り倒せば、大丈夫です。感想は有るけど言葉がうまく整理できない、という時は、「5W1H」で書き出してみるのも一つの方法です。

感想を書く時は出演作品そのものだけではなく、雑誌やウェブメディアのインタビューなども絡めるとより良いと思われますが、単純に上から目線で知識量を問うような文章を書くと不快感を感じやすくなるので、感想だけ書くように注意しましょう。

感想は、出来るだけ時間を置かずに書くよう心がけた方が良いかもしれません。これは時間が経過するほど相手も記憶が薄れてしまう為で、二日間連続で開催されるようなイベントの場合、ファンレターは初日の感想を追記して、二日目に出すようにすると手間もかけず、かつ、迅速に感想を届けられます。

また、貴方に何か影響があった場合は、折角ですので積極的にその内容を書きましょう。文章の例としては「インタビューを読んで見習うようにしました」や、「仰られていた事に、とても共感しました」などが有ります。

4-5.今後、予定されている事

終わりに近づいてきたら、今後、公開が予定されている作品について「期待している」や、「成功すよう祈っている」という主旨の事を伝えられるように書きましょう。例えば「出演作品が観れる事を楽しみにしています」などと書くと良いでしょう。

簡単に文章を書くだけでも、相手が不安に思っているような場合は結構励みになるようです。うまく書けば、事務所等が「人気者らしい」と判断して、相手の次の活動にも繋がって行きます。

公開が予定されている作品がが何も公表されていない場合、相手がblogやSNSをやっているならば、そこで書かれていた内容について触れると良いでしょう。相手も「書いて良かった」と思うのではないでしょうか。

4-6.終わりの挨拶

本文の最後には、終わりの挨拶を入れましょう。ここで読んでくれた事に対するお礼を書きます(特に、長文になった時は忘れずに書く事を推奨します)。

最後に一言で良いので「お仕事を楽しんでください」や「楽しく活動できますように」、「身体にお気をつけ下さい」もしくは「ご自愛ください」などと書いて、相手の事を気遣うようにします。

ただし、「頑張って」という言葉は使い方に注意する必要があります。不用意に使うと相手にプレッシャーを与えてしまい逆効果になる事もあります。出来れば「応援している」や「自分のペースで」、「楽しんで」と言い換えると良いでしょう。

貴方の事をどうしても書きたい時は「私事ですが」と前置きして、書く量は数行程度に留めましょう。最後であれば感想と無関係な事でも構いませんが、出来るだけ少なくした方が、相手は読みやすくなります。

本文を書き終えたら先述した通り、日付、住所、名前を書きましょう。相手が出演しているラジオへメールを出している、blogやSNSで交流がある場合はHNも書くと良いかも知れません。

4-7.感想文の例

4-4.現在のこと」で感想の基本的な書き方を記載しましたが、特にファンレターを書き慣れないうちは具体例を見てみたいと思う方も居るかもしれません。

そこで、ファンレターではなくレポート記事になりますが、参考になりそうな記事を提示しておきます。

numakura-works.hatenadiary.jp


次は第五編「~これに気を付けよう~」です。←続きはココをクリック